喪中はがきの宛名の書き方マナーについて。書体や文字色の注意点
喪中はがきは、年賀欠礼の挨拶状になるので、普段年賀状のやり取りをしている方に送ります。
喪中はがきの挨拶文は、黒色や薄墨(グレー)で印刷するのですが、宛名面はどうでしょうか?
今回の記事は、
- 宛名を横書きにしてもいいの?
- 宛名の文字は、喪中らしく薄墨がいいの?
- 喪中はがきの宛名にふさわしい書体ってあるの?
など、喪中はがきの宛名の書き方について感じる疑問にお答えします。
喪中はがきの宛名、横書きでもいいの?
喪中はがきは、最近ではパソコンで管理している住所録からプリンターで印刷する人のほうが多いと思います。
筆まめや筆王などの宛名管理ソフトを入れている場合、あたらじめ宛名印刷用レイアウトが登録されているので、迷うことは無いかと思います。
しかし、エクセルなどで住所録を管理している場合、宛名レイアウトのフォーマットがないために、縦書きがいいのか、横書きでも良いのか、迷うところですよね。
結論から言えば、喪中はがきの宛名は縦書きで書く(印刷する)ようにしましょう。
喪中はがきは正式な挨拶状であり、受け取る人の心象も考えると、縦書きが一般的です。
宛名シールを貼ったり、横書きで書いてしまうと、いかにも事務的な印象を先様に与えかねませんので、気をつけましょう。
喪中はがきの宛名の書体は?
年賀状の場合、宛名に使う書体は丸ゴシック体やPOP体など、カジュアルなものでも問題ありません。
しかし喪中はがきに、ポップな書体を使うべきではありません。
親類が亡くなって悲しみにくれ、喪に服している状態なのに、宛名をポップな書体にするのは、喪中はがきとして似つかわしくありません。
喪中はがきの宛名書体としておすすめなのは、
- 行書体
- 楷書体
- 明朝体
です。これらの書体は、筆書きのような書体になり、フォーマルな印象になります。
行書体のほうが、楷書体より筆書きのイメージが強いですが、読みづらいという方は、楷書体にしておくと無難でしょう。
喪中はがき宛名の文字は薄墨?それとも黒色?
喪中はがきは、挨拶文(はがきの裏面)を、薄墨で印刷する場合があります。
薄墨印刷の由来ですが、薄墨の色は、ご遺族の「悲しみの色」を表しています。
これは昔からの慣習で、墨で文字を書いていた時代、「悲しみの涙で文字が滲んでしまった」「墨をすってもすっても、流れる涙で墨が濃くならない」などの意味が込められています。
挨拶文を薄墨印刷にしている人が迷うのが、「宛名面も薄墨にしたほうが良いの?」ということです。
結論を言えば、宛名面は薄墨にする必要がなく、黒色で印刷するようにしましょう。
表面(宛名面)は、先様のご住所、お名前を書きます。先様はもちろん喪中ではありませんので、薄墨で印刷すると気分を害される方もいるでしょう。
また薄墨の場合、郵便局での住所読み取りが出来ない場合もあります。
こうした理由から、宛名面の文字色は黒色にしたほうが良いです。
喪中はがき宛名レイアウトの基本
喪中はがきの宛名レイアウトは、以下の例を参考にしてください。
住所は、近所に送る場合でも都道府県名から始めたほうが正式な挨拶状としての印象を与えますので、おすすめです。
マンション名など建物名が入る場合は、改行して行末に配置します。
名前のところは、姓と名の間に適切にスペースを入れてバランスを取ります。
敬称(ここでは「様」)は、名前の下に入れ、連名の場合でも必ず一人ひとりに敬称を付けるようにしましょう。
年賀状の場合は、先様に小さいお子様がいる場合、
鈴木 二郎様
花子様
長男くん
次女ちゃん
というふうに、敬称に「くん」や「ちゃん」を付けて出している人もいると思います。
しかし喪中はがきの場合は、お子様のお名前まで連名に入れる必要はなく、ご夫婦連名にして、敬称は「様」としましょう。
差出人は、宛名面に書く?
差出人の住所や名前ですが、挨拶文(裏面)に入っている場合は、宛名面(表面)にわざわざ書く必要はありません。
宛名面に差出人が書かれていなくても失礼にはなりませんので、ご安心ください。
宛名印刷を失敗してしまった。交換はできる?
喪中はがきの宛名書きに失敗してしまった場合、郵便局に持ち込めば交換してくれます。
交換手数料として1枚に付き5円必要になります。
まとめ
喪中はがきの宛名印刷は、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
まとめると、
- 縦書きで書く
- 書体は行書体、楷書体、明朝体のいずれか
- 文字色は黒色
この3つをしっかり守れば、そんなに難しくはありません。
筆まめなどの住所録ソフトを使っている場合は、年賀状の差出人レイアウトをそのまま使っても、問題ないでしょう。
郵便局では、交換のみを受け付けてくれます。現金化はできませんので、ご注意ください。
【追記】喪中はがきの宛名リストで困らないように(終活のススメ)
喪中はがきは、当然ながら残された遺族が作るものです。
そこで一番よく聞く困り事が「年賀状を誰に送っていたのか、宛名リストが分からない」「宛名リストの整理が大変」という声です。
残された遺族が困らないように、自分の人生を逆算して宛名リストを整理したり、今までやり取りしていた年賀状をまとめておくと、喪中はがきを作成する遺族が困ることがありません。
喪中はがきだけでなく、お葬式のこと、お墓のこと、法事・法要のこと、相続や保険のことなど、残された遺族が困らないように準備しておくことも大切なことです。
「終活」というと寂しい気持ちになるかもしれませんが、残された遺族のためを思うと、大切なことなのです。
でも「終活をしましょう」と言われても、何から手を付けて良いのか分からないことも多いです。
そんな時は「みんなが選んだ終活」というサイトが役立ちます。
葬式場やお墓や保険などの終活領域に特化した情報が掲載されているので、「終活」を考えてみようかと思う方はご覧ください。